2008年1月29日火曜日

地域型クラブで生涯スポーツを 札幌でフォーラム

住民主体の生涯スポーツの拠点である「総合型地域スポーツクラブ」について理解を深めるフォーラム(日本体育協会など主催)が二十七日、札幌市中央区の札幌国際ホールで開かれ、約百七十人が参加した。
 同クラブは、地域でスポーツを志す人たちが、さまざまな競技にレベルに応じて気軽に参加できるよう、地域住民が中心になって運営する。
 文部科学省は二○一○年までに、国内の全市町村に最低一つのクラブを設立する計画だが、道内は昨年七月現在で四十六市町村に六十三クラブができるにとどまっている。
 フォーラムでは、日本スケート連盟会長の橋本聖子参院議員による基調講演の後、パネルディスカッションが行われ、三人のパネリストが論議を深めた。
 福島大の黒須充教授(スポーツ社会学)は「文科省の取り組みは、将来の日本のスポーツ振興を占う壮大な社会実験」と述べ、スポーツキャスターの荻原次晴さんは、スキー選手として各国を転戦した経験を踏まえ、進んだ欧州事情を紹介。北広島市の町内会で総合型地域スポーツクラブを実践中の久保田智さんは、「幅広い年齢層の人たちが活動している。子供たちが健やかに育ち、住民が健康であり続ける環境づくりが目標」と力説した。

2008年1月25日金曜日

道内あす大荒れ 猛吹雪や高波に注意

急速に発達した低気圧の影響で、道内は二十四日早朝から夜にかけ、日本海側南部や太平洋側西部を中心に、猛吹雪による大荒れの天気となる見込み。札幌管区気象台は突風や高波への注意を呼び掛けている。
 同気象台によると、太平洋側で二十四日朝から二十五日いっぱい大雪となるほか、最大風速が陸上で二○メートル前後、海上で二五メートル近くに達し、波の高さも五メートル前後と大しけになる見通し。「今冬一番の大荒れになる可能性もある」(同気象台)とみて、交通機関の障害などに警戒が必要としている。

2008年1月18日金曜日

「カイギュウ」出現 大丸のフロア 太古の札幌の海に 客ら驚嘆

札幌市内のデパートに巨大生物出現-。世界最古のカイギュウ類「サッポロカイギュウ」を紹介する「札幌はむかし海だった!展」(札幌市など主催)が十六日、中央区の大丸札幌店で始まり、買い物客が行き交う一階フロアに、体長七メートルのカイギュウの全身骨格復元模型が展示された。
 サッポロカイギュウは二○○二年に札幌市南区で化石が発見された大型海生哺(ほ)乳類。突然の「出現」に訪れた人々はびっくり。厚別区の会社員小林登美子さん(52)は「こんな大きなものが、札幌で泳いでいたなんて信じられない」と札幌が海の底にあった八百二十万年前の世界に思いをはせていた。
 同店六階では、札幌で見つかったクジラの背骨の化石や、藻岩山がいつできたかなど札幌の歴史を解説するパネルも展示している。
 二十二日までの期間中、毎日午後三時から六階で、市博物館活動センターの学芸員が来場者の質問に答えるワークショップを開催する。

2008年1月13日日曜日

鶴西ウイングスなど6チームが2回戦進出 全道小学選手権

アイスホッケーの第28回全道小学生選手権(道アイスホッケー連盟、北海道新聞社主催)は12日、札幌市月寒体育館で開幕し、1回戦6試合を行い鶴西ウイングス(釧路)や泊ブルーマリーンシャークス(札幌)などが2回戦に進んだ。

2008年1月9日水曜日

北陸銀が美瑛を全国PR 四季の写真やジャガイモを展示

北陸銀行は今年一年かけて上川管内美瑛町を全国に売り込む。一月中旬の札幌を皮切りに富山や東京、大阪、名古屋など全国八カ所の同行本支店ロビーで同町の四季をとらえた写真パネル展を開催。いずれも一カ月程度の期間を予定しており、同行が特定の地域を長期間にわたってPRするのは初めてという。
 取引先の会社役員でアマチュア写真家の嘉部真喜男さん(62)=札幌市=が、美瑛を舞台とする約三千五百枚の写真を撮影していたことを知った札幌支店が、CSR(企業の社会的責任)活動としてロビー展を提案。美瑛町からも「全国でPRしてほしい」と要請され、異例の長期間の写真展開催が決まった。
 名称は「日本で最も美しい村 美瑛展」で、写真パネル約百十枚のほか、ジャガイモなどの特産物や観光ポスターなども展示する。
 観光客の増加も期待され、同支店は「道内と本州の懸け橋になれれば」と話している。

2008年1月5日土曜日

がん制圧へ夜通し歩く 「命のリレー」室蘭で 患者、支援者が8月に

がん患者と家族らが、語り合いながら競技場などで夜通し歩き続け、病気への理解や支援を訴える世界的な対がん運動「リレー・フォー・ライフ(命のリレー)」が八月、道内で初めて室蘭で開かれる。テーマは「がんに負けない『命の一歩』」。道内の患者ら約三十人の実行委が、今月から本格的な準備に乗り出す。
 計画では八月三十、三十一の両日、同市内で開催する。場所は選定中。がん患者や家族、支援者らが五人以上のチームを組んで参加。最初の一周はがん体験者全員で、以後は翌日まで参加者が無理せず交代で二十四時間歩き続け、最後の一周は参加者全員でフィナーレを飾る。
 コースの周りでは、がんを知るためのイベントやコンサートなども開き、一般の人たちにも支援を訴える。集まった寄付や収益は日本対がん協会などに贈る。
 実行委員長で伊達市の主婦金子明美さん(39)は「がんのことをもっと知ってもらいたい。患者には、『一人じゃない、仲間がいる』という勇気を与えたい」と話す。
 金子さん自身も二週間ごとに抗がん剤治療を受けており、患者と家族の会「フォーエバー」代表だ。三年前にテレビでこの運動を知り、昨年九月の東京の大会に参加。「感動し、エネルギーをいただいた。北海道でも開きたい」と、インターネット上の日記(ブログ)などですぐに呼び掛け、賛同者を募った。
 昨年十二月、札幌で開いた初の実行委には二十数人が参加した。入退院を繰り返したり子育て中の患者もいるが、「誰かのために、何かしたい」と気持ちは同じ。患者の家族や遺族、それに「患者の気持ちに近づきたい」という医療者も加わり、金子さんとともに実現を誓い合った。
 金子さんは「二人に一人はがんになると言われる。自分は大丈夫ということはない。がんに対する意識を広めるため、小さくてもいいから一回目を成功させ、道内各地で開かれるようにしたい。患者がゼロになるまで続けたい」と語った。
 実行委は、準備・運営に当たる委員や当日のボランティアを募集している。
 詳しくは、ホームページhttp://rflhokkaidou.ninja-web.net/から。

2008年1月1日火曜日

スキーの原点伝えたい オーストリアの2人今月札幌で講習会

【ウィーン31日石井群也】日本スキーの原点である「オーストリアスキー」の技術を学ぶ講習会が札幌で開講してから、今年で三十周年を迎える。開講時から講師を務め、オーストリアと北海道のスキー交流を支え続けてきたのは、還暦を超えた同国の二人のスキー教師。今月札幌で開く記念講習会を前に、二人は「北海道の若者にスキーの奥深さを伝えたい」と、本場の技術伝承への決意を新たにしている。
 二人は、元国際スキー教師連盟副会長のエリッヒ・モッシャーさん(66)と、チャールズ英皇太子のスキー講師だったカール・ハースさん(67)。
 札幌出身で、オーストリアにスポーツ情報学の研究で留学していた宝賀幸秀さん(58)が一九七三年、二人と知り合ったのが交流のきっかけ。宝賀さんはハースさんのスキー学校に入校し、日本人三人目となるオーストリア国家検定スキー教師の免許を取得した。
 帰国後の七八年、札幌で本場の技術を普及させるオーストリアスキーアカデミーを開講。恩師のモッシャーさんら同国のスキー教師を専任指導員として招き、過去十六回講習会を開いた。
 二人が伝授するオーストリアスキーは、下半身の体重移動で安全かつ合理的に滑るスタイルで、世界の主流となっている。日本では同国の軍人、テオドル・フォン・レルヒ少佐が明治末期に新潟や旭川などで指導し、広まったとされる。
 二人の教え子はすでに千人を超えた。ハースさんは「オーストリア流の指導は、どんな動作にもあいまいさを許さない。それが日本人に合っているのか、他国のスキーヤーより驚くほど上達が早い」と弟子たちを称賛する。モッシャーさんも「日本人の集中力と、スキーへのひたむきさは特別。スポーツ交流を体力が続く限りやっていく」と話している。
 記念講習会は十九、二十の両日、札幌・藻岩山スキー場で開かれる。問い合わせは宝賀さん(電)011・533・4425へ(平日午前九時-午後五時)。