2008年2月26日火曜日

信金職員殺人民事訴訟 「勝訴、土産に天国へ」 被害者の母が陳述 札幌地裁

一九九○年十二月、札幌市の信金職員生井宙恵(なまいみちえ)さんが刺殺された事件で、殺人容疑で指名手配されたが逮捕に至らず、時効が成立した所在不明の男(39)に、生井さんの遺族が遺失利益など一億三百万円の損害賠償を求めた訴訟の第一回口頭弁論が二十五日、札幌地裁(竹田光広裁判長)で開かれた。生井さんの母澄子さん(71)は意見陳述で、「民事で勝って、私が死ぬ時に(天国の娘に)いいお土産を持って行きたい」と訴えた。
 原告側が捜査資料のコピーなどを証拠として提出し、即日結審した。三月三十一日に判決が言い渡される。男は二○○五年十二月に殺人罪の時効が成立したが、昨年九月、生井さんの遺族が、刑事裁判に付されなかった男を、民事訴訟で有罪に認定させたいと提訴した。

2008年2月22日金曜日

東京都心の「どさんこプラザ」 丸井今井が運営復帰 「きたキッチン」評価、2年半ぶり

道は二十日、東京都心の道産品アンテナショップ「北海道どさんこプラザ」(千代田区有楽町二の一○の一)の新たな管理運営業者として百貨店の丸井今井(札幌)を選んだ。期間は新年度から四年間で、同社は二年半ぶりの運営復帰となる。
 同プラザは道が一九九九年に開設し、定期的に営業委託先を公募している。丸井今井はオープンした同年七月から二○○五年九月までの約六年間運営を受託してきたが、前回の入札では北海道電力グループの北海道フードフロンティア、JR北海道グループの北海道キヨスク、北洋銀行の三社連合に敗れていた。
 今回は丸井今井を含む三件の応募があったが、札幌の地下街で昨春から運営する道産食品セレクトショップ「きたキッチン」の運営ノウハウなどが評価された。
 丸井今井による同プラザの営業は六月からの見通しで、初年度売上高七億四千万円を見込む。
 同プラザで人気のある商品は、提携先の伊勢丹を通じ子会社の高級スーパー、クイーンズ伊勢丹(東京)での取り扱いを推進。さらに伊勢丹や丸井今井が加盟する共同仕入れグループ「ADO」の加盟百貨店に「北海道どさんこプラザ」の販売コーナー開設を働きかけ、道産品の販路拡大に協力する。
 JR札幌駅の「北海道どさんこプラザ札幌店」は北海道貿易物産振興会が運営している。

2008年2月16日土曜日

教職大学院定員下回る 道教大、2次募集へ

道教育大は十五日、高度な実践力を持つ教員養成を目的に四月に開設する教職大学院の学生の二次募集を行うと発表した。
 同大学院は「学級経営・学校経営」「生徒指導・教育相談」「授業開発」の三コース。初年度は札幌、旭川、釧路の各校で現職教員(五年以上の教職経験者)三十人、教員免許取得の学部卒業者(見込みを含む)十五人を募集したが、三日に行われた試験の合格者は、現職二十二人(出願二十四人)、学部卒十人(同十五人)で、どちらも定員を下回った。
 道教大は「まだ大学院がスタートしていないので、様子見の人もいるのでは」としている。
 文部科学省によると、教職大学院を開設する国立十五大学のうち、出願が定員を下回ったために二次募集を行うのは、十五日現在で道教育大のほかに四大学ある。
 二次募集の定員は現職八人、学部卒五人で、出願期間は二十二-二十七日。
 試験日は三月九日。
 詳細は同大入試課(電)011・778・0273へ。

2008年2月11日月曜日

理科大好き児童育成 道内22社が授業 ロケット模型打ち上げ、鉄の溶接…

理科系の人材育成は小学校から-。産業ガス製造国内大手、エア・ウォーター(大阪、本店登記・札幌)など道内の有力企業二十二社・事業所が小学校の理科授業への講師派遣に乗り出した。日ごろの事業で培った実践知識に基づいた分かりやすい授業を通して理科の面白さを知ってもらい、理科離れを食い止める狙い。授業は月に数校-十数校のペースで行われる。
 講師派遣は文部科学省が本年度から全国で行っている理科支援員等配置事業の一環で、派遣を希望する小学校の五、六年生の授業が対象。企業に対する講師派遣の要請などを北海道経済産業局が担当している。
 道経産局によると、セミナーなどの形で企業が小学生に理科知識を説明した例はあるが、理科の授業そのものに企業が講師を派遣するのは初めてという。
 講師派遣の第一弾は、道産ロケットの開発に取り組む植松電機(赤平)。昨年十二月十八日に滝川市内の小学校でロケット燃料の燃え方を教えたほか、ロケット模型の打ち上げ実験を行った。
 エア・ウォーターは、二月十二日に空知管内南幌町で、二十六日に夕張市で実施する。同社グループの主力製品である窒素、アルゴンなど産業ガスやプロパンガスなどについて、燃焼の仕組みを教えるほか、酸素アセチレンバーナーによる鉄の溶接、溶断実験も行う。
 同社広報室は「ガスは目に見えないが、鉄鋼をはじめあらゆる産業で欠かせない存在であることを分かってもらえればうれしい」と話している。
 このほか、メッキ加工の札幌エレクトロプレイティング工業(札幌)、アミノアップ化学(同)、光合金製作所(小樽)、日本甜菜製糖などが講師派遣を予定している。

2008年2月6日水曜日

札幌市中心部 落書き「タギング」やめて 清掃といたちごっこ

塗料スプレーを使ったアート風の落書きが札幌の街中で目立ち、清掃担当者を悩ませている。「印を付ける」という意味の英語で「タギング」と呼ばれ、自己表現のつもりのようだが、景観を損なう「迷惑行為」だ。タギングの被害がひどい大通公園(中央区)や狸小路商店街(同)の関係者は「面白半分でするのはやめて」と訴えている。
 大通公園三丁目の変電設備。判読できない文字が、白いスプレーで書かれている。
 「いつの間にか、まちのどこにでもある。こんなに多いと気分が悪いですね」。豊平区の主婦加藤みや子さん(72)は厳しい口調で言う。
 「タギング」は真夜中など人目の少ない時間帯に、電柱や自動販売機などに塗料スプレーで落書きをする行為。大通公園では公衆トイレの壁でも目立ち、公園管理事務所の中村義夫さん(66)は「もういたちごっこ。夏のひどいときは毎日消す作業に追われます」と話す。
 多くはアルファベットを崩したような文字で、自分の名前を表現しているとみられる。札幌在住の現代芸術家、端(はた)聡さん(47)は「誰がいつ書いているのかは分からない。中には芸術性があるものもあるが、単なる迷惑行為にすぎない」と指摘する。
 発祥は米国とされ、一九九○年代にドイツ各地で書かれた「OZ」(オッズ)というタギングが話題を呼んだが、書いた男は最終的に逮捕されたという。
 タギングは書くだけでなく、シールもある。札幌市内では「SKIN」と書かれた縦七センチ、横十五センチのシールが電柱や壁に張られている。
 特に狸小路商店街の一、二丁目では被害が深刻で、同商店街の竹内宏二理事長(67)は「シールはここ一、二年目立つようになった。落書きは器物損壊など、立派な犯罪だが、現場を押さえない限り、やめさせるのは無理」と頭を痛める。
 市内では店舗の壁をタギング用に提供する古着店などもあり、端さんは「表現したいという気持ちがあるなら、しかるべき場所でアートの能力を発揮してほしい」と話している。

2008年2月2日土曜日

道の「いってみたい商店街」表彰 札幌で記念フォーラム

道が本年度創設した「いってみたい商店街&お店 北海道表彰」の記念フォーラムが三十一日、札幌市内で開かれ、同表彰受賞企業・団体の代表者らが商店街活性化や中小小売店の魅力づくりについて意見を交わした。
 道の主催で、流通関係者ら約百人が参加。札大経営学部の千葉博正教授が基調講演した後、五人で討論した。
 商店街部門大賞の旭川みずほ通商店街振興組合の大川勝人理事長は、地元高校などと連携して子供向けイベントを開催する同商店街の取り組みを紹介し「商売の『商』は英語のショー。商店主はパフォーマンスができないと駄目」とにぎわいを演出する重要性を強調。
 個店部門大賞の熊谷商店(胆振管内白老町)の熊谷威二社長は「無料送迎バスの運行などは、すべて顧客の要望に沿ったもの。客の目線に立った商いを続けることが大事だ」と述べた。