2008年3月30日日曜日

函館市中央図書館 デジタル資料館第1弾「北方図」 1日からネット公開

【函館】函館市中央図書館は国内最多の収蔵量を誇る古地図「北方図」を電子データ化し、四月一日から同館ホームページ(HP)で公開する。電子化は古文書、巻物・掛け軸などに順次拡大。二〇一〇年度には、約一万六千点の「全国有数のデジタル資料館」(同館)に発展させる計画だ。
 北方図は江戸時代から明治時代にかけ、松前藩、幕府役人、探検家などが北海道、樺太、千島列島、オホーツク沿岸を描いた古地図で、国内には約千二百点が現存する。
 同館は一九〇九年(明治四十二年)に岡田健蔵・初代館長の私立函館図書館として開館以来、北方関係資料の収集に力を入れてきた。北方図は三百九十三点を所蔵し、古地図研究家の高木崇世芝さん(札幌)は「国内最多」という。
 HPでの公開第一弾は、ペリー艦隊の箱館来港を描いた「亜墨利加(あめりか)船」や探検家近藤重蔵の制作した「蝦夷地図式」など三十二点。同館HPから「デジタル資料館・函館の古地図」のサイトに入って閲覧する。印刷やダウンロードはできないものの、画面上で拡大して見ることができるため、精細な筆致や色彩の濃淡まで判読できる。
 公開する北方図は一〇年度までに百三十八点に増やす。
 同館は〇三年度、原本の劣化防止と公開拡大を目的とするデジタルアーカイブ事業に着手。本年度のデータベース構築では、公立はこだて未来大の川嶋稔夫教授(情報メディア)の研究室が協力した。
 柴山英機副館長は「年間費用は約二百万円。地元大学との連携により、本年度の新システム開発費は、民間委託の約十分の一で済んだ」と話している。

2008年3月25日火曜日

自宅での飲酒黙認で親3人書類送検 札山の手高野球部員

札山の手高の野球部員が自宅で飲酒し、日本高野連から対外試合禁止処分を受けた問題で、札幌西署は二十四日、十七歳の息子に酒を飲ませたとして、未成年者飲酒禁止法違反(親権者の不制止)の疑いで、札幌市北区の事務員の女(43)ら保護者三人を書類送検した。同署によると、同法違反で保護者が立件されるのは珍しいという。
 調べでは、女は昨年十一月五日夜、自宅で息子が部員六人と飲酒しているのを知りながら止めなかった疑い。同市西区内の建設業の男(40)と妻(39)も、同年十二月二十九日夜、自宅で息子が部員五人と飲酒していたのを止めなかった疑い。
 調べに対し、男らは「家なら迷惑がかからないと思った」などと供述しているという。

2008年3月19日水曜日

聴覚障害不正 十数人が年金「辞退」 受給者は140人

聴覚障害の身体障害者手帳問題に絡み、札幌の耳鼻咽喉(いんこう)科医(73)の診断書を基に障害年金を受給していた十数人が二月下旬以降、社会保険庁道社会保険事務局(札幌)に対し、受給資格がなくなったという「非該当届」を自ら提出していたことが、十七日分かった。十数人の年間の年金受給額は少なくとも一千万円規模とみられる。また、問題の医師が関与した障害年金受給者が全道で約百四十人に上ることも判明。過去の年金受給総額は数億円とみられ、同事務局が確認を急いでいる。
 障害年金の受給は重度障害を持つ年金加入者が対象。身障者手帳の申請とは別に、初診から一年半ほど通院後に医師の診断書を得て、社会保険庁に申請し、診査を受ける。障害年金一級の要件は両耳の聴力レベルが一〇〇デシベル以上で、最重度の聴覚障害二級の身障者手帳取得要件と同じ。年金申請の際、身障者手帳を取得していれば参考にコピーを添付するが、手帳取得が即、障害年金受給資格にはならない。
 複数の関係者によると、非該当届を出したのは空知管内在住の障害年金受給者ら。二月下旬から本格化した道の再調査などで、二級ばかりか最軽度の六級の要件も満たさないとして手帳を返還した者が大半とみられる。届け出理由を「手帳を返還し、年金の受給資格がなくなったから」などと説明し、既に受給停止措置が取られたという。
 一人当たりの年間の年金受給額は、国民年金ベースの障害基礎年金一級で九十九万百円、同二級で七十九万二千百円。また、厚生年金ベースの障害厚生年金は、障害基礎年金に加えて厚生年金加入期間の報酬分の上乗せなどがあり、百数十万-二百数十万円になる。
 人数や金額などから、非該当届の提出者が受け取っていた年金額は、年間一千万円規模とみられる。
 一方、問題の医師が関与した障害年金受給者数は、道社会保険事務局に書類が残っている二〇〇二年度以降の申請者で約百四十人。基礎年金が全体の人数の八割、厚生年金が二割という。
 同事務局はこれらに給付された年数や給付額などを精査中だが、関係者は「この医師が絡んだ障害年金の受給総額は数億円に上る」と言う。
 障害年金は国民年金法と厚生年金保険法で規定。不正に年金を受給した人に対し、社会保険庁長官が相当額を返還させることができ(時効は五年)、国民年金では三年以下の懲役または百万円以下の罰金の規定もある。

2008年3月14日金曜日

ゴール赤黒、札響初演奏も あす横浜戦、演出多彩に

十五日午後四時から札幌ドームで行われるサッカーのコンサドーレ札幌-横浜F・マリノス戦は、札幌にとって六年ぶりのJ1の地元開幕戦とあって、新たな演出が繰り広げられる。チームカラーの赤と黒で彩ったゴールネットが導入されるほか、キックオフ直前には札幌交響楽団がファンファーレを奏でる。  札幌ドームが設置した新しいゴールネットは、従来の白一色よりも編み目が細かくなっており、ボールがゴールに入ったかどうかが見やすくなる効果があるという。アウェーでの初戦は無得点だったが、中山元気選手は「ゴールを引き込んでくれそう」と期待感を示していた。  札響のファンファーレは、高橋はるみ道知事と上田文雄札幌市長によるキックインセレモニーで、トランペットやトロンボーン奏者十二人が披露。歴史的な瞬間を盛り上げる。また、今年のクラブスローガン「Progress(前進)」を記した赤と黒の応援ボードを来場者全員に配布し、スタジアム全体を赤と黒に染める。スポンサーの石屋製菓は傘の形をした特製帽子を先着二万人にプレゼントする。  このほか、三浦俊也監督のサイン入り色紙や選手のサイン入りポスターなどが当たる抽選も。コンサドーレによると、十三日現在、チケットの販売枚数は約二万枚で、まだ空席はある。

2008年3月9日日曜日

木札へ一直線 札幌で下の句かるた大会

「第五十八回全日本下の句歌留多(かるた)選手権大会」と「第五十八回全日本下の句歌留多協会大会」が八日、札幌市南区定山渓温泉のホテルで開かれ、札幌や釧路、函館など道内各地から参加した約三百人が、夜を徹して真剣勝負を繰り広げた。
 全日本下の句歌留多協会の主催。三人一組の約百チームがトップクラスのA級の選手を対象にした選手権大会と、B級向けの協会大会に分かれ、それぞれトーナメント戦で順位を競った。
 試合は午後七時にスタート。選手は大声で「よし来い」と叫んだり、床をたたいたりして気合を入れ、木札を奪い合った。
 渡島管内長万部町から参加した漁業佐藤政人さん(28)は「真剣勝負の緊迫感がたまらない」と、声を弾ませていた。

2008年3月3日月曜日

桃太郎の姿で岡山PR

果樹栽培の盛んな岡山県から、「フレッシュおかやま」の山本絵梨さん(26)と生産者らの一行が二十九日、道庁を訪れ、日本一の白桃の産地をPRした。
 桃の節句を前に、大阪など五都市で初めて行った一斉キャンペーン。桃太郎にちなんだ格好で、近藤光雄副知事に白桃ゼリーなどを贈った。
 「もぎたての桃は格別。夏はぜひ岡山へ」と山本さん。一日はロビンソン札幌などで桃の花を配る。一行が春を呼んできてくれたせいか、道内は二十九日、三月下旬並みの陽気となった。