2007年6月11日月曜日

中高生よ、放課後は児童館へ “夜の居場所”倍増 札幌市、9月から開放40館に

 コンビニの駐車場より屋根のある温かい会館で友だちと語ろう-。札幌市は、中高生の放課後の居場所づくりのため、夜間利用できる児童会館を九月から新たに二十館増やし、四十館とする。中高生の児童会館の利用は、昨年四月から一部で試行されてきたが、一日の利用人数が五十人を超える人気の会館もあり、市は中高生が夜間に集える場所として定着させたい考えだ。
 夜間のスーパーやコンビニエンスストアの駐車場、公園。中高生が仲間とたむろしおしゃべりする姿に、札幌市には地元町内会から「居場所がなくて悪いことをしてしまうんじゃないか」という心配が寄せられてきた。会館の利用は非行防止という目的もあるが、札幌市の三井一敏・子ども未来局子ども企画課長は「スポーツで汗を流し、楽しく友だちと語らってほしい」と話し、放課後の居場所がない生徒たちを思いやる心をのぞかせる。
 市は昨年四月から試験的に市内十区各二カ所の会館で週二回、小学生らの利用が終わる午後六時から午後九時まで中高生を受け入れた。夜間利用できる二十館では、利用登録すれば、中学生は午後六時から同七時まで、高校生は同七時から同九時まで利用できる。
 昨年度一年間、二十館の一日あたりの平均利用者数は中学生が三・五人、高校生が五・八人。体育室でバスケットボールで汗を流したり、読書やおしゃべり、パソコンなどを楽しんだ。
 バンドの練習用にドラムがある北区の屯田北児童会館は、昨年度は一日平均二○・一人が利用した。卒業式や春休みのある三月は一日平均三八・八人に上る。四月以降は近くの札幌北陵高校の生徒を中心に五十人を超える高校生が集まる日がある。
 クラスメートとバンドの練習に来た札幌北陵高校三年生の男子生徒は「指導員がやさしくて、とても居心地がいい」「バンドの練習が思いっ切りできる」と話す。
 一方、北野台児童会館(清田区)や円山児童会館(中央区)など一日平均の利用者が五人未満という館もある。進学志向の強い生徒が多い地域は塾や予備校など、生徒たちの放課後の居場所はあるようだ。
 市は地域の町内会や中学高校と協議のうえ、七月中に新規に夜間利用を始める児童会館を決める。将来的には市内の児童会館全館で中高生のための夜間利用を目指している。

(北海道新聞より引用)

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