2007年8月19日日曜日

道内企業、ネット通販に勝機 「楽天」札幌支社開設1年 出店600突破

国内最大のインターネット商店街「楽天市場」を運営する楽天(東京)が札幌支社を開設して一年が経過した。各地の味を気軽に取り寄せることのできるネット通販では海産物やスイーツなどの人気が高いこともあって、これらの商品に強い道内からの出店は六百店を突破した。地元に足場を置きながら首都圏などの大消費地に売り込める仮想商店街が、道内企業に商機をもたらしているようだ。  楽天市場は一九九七年五月、十三店でスタートし、二〇○七年六月には二万店を突破。〇六年七月には、国内五番目の拠点となる札幌支社を開設した。競売形式で商品を販売する「オークション」や、人気商品が一目で分かる「ランキング」などの機能が人気を集め、○六年の店舗合計の売上高は四千六百億円に成長した。  楽天市場のウニのランキングで常に上位を争っている丸高水産(札幌)は、鮮魚卸が本業。地方市場の閉鎖などで卸が先細りするなか、ネット通販を第二の柱に育てるため、○五年末から本格的に楽天市場の活用を始めた。  ネット販売部の佐々木康行店長は「ランキングの上位に食い込むと、メディアに取り上げられることが増えた」と話す。楽天の担当者からは効果的な広告を打つよう、深夜でも電話が寄せられるようになったが、「スピードが大事だと痛感している。売り上げが増えるならどんなチャンスも逃したくない」と意気込む。  牛乳瓶入りプリンが大ブームになった菓子工房フラノデリス(富良野)も、ネット通販で成長した企業。テレビ番組で紹介されたのをきっかけに、全国から注文が殺到。受注予測のシステムも独自開発し、多い日は一日一万本を製造するようになった。  「松尾ジンギスカン」で知られるマツオ(滝川)もネット通販に力を入れる。歌原邦芳常務は「楽天市場は一日五十万人以上が訪れ、『人通り』が多いのが魅力。ネットでのジンギスカンの売り上げは年四千五百万円だが、一億円まで伸ばしたい」と意欲を燃やしている。(北海道新聞 引用)

0 件のコメント: