2007年10月6日土曜日

道内の交通事故死者 3カ月連続で最多 関係者苦慮「危機感薄い」

道警によると、九月の事故死者は前年同月より十一人も多く、二位の愛知を九人上回った。年間死者数も九月末時点で、前年同期比三十五人増の二百十八人となり、二位の愛知と十七人も差が開いた。  死亡事故を起こしたドライバーは二百十六人に上るが、道外在住者は三人だけで、残りはすべて道民だ。  また、七-九月の事故死者は前年同期比二十九人増の百九人。年間死者が全国最多の三百八十七人に達した○四年の同じ時期(百八人)と同じペースで推移した形だ。  九月の事故死者の年代をみると、六十五歳以上の高齢者が目立ち、前年同月の四人から十五人に急増。事故形態では、歩行者や自転車の事故死者が合わせて十四人に上り、半数がやはり高齢者だった。  高齢者事故が多発していることを受け、道警は八月から、それまでのスピード違反中心の取り締まりを見直し、歩行者や自転車の事故が多い交差点での摘発と指導を強化。加えて、高齢者への夜光反射材の普及や、歩行者に車の存在を知らせるために日中もヘッドライトを点灯する「デイ・ライト運動」の推進に力を入れてきた。  にもかかわらず効果は上がらず、道警は「二年連続全国ワーストを返上するなど、近年、道内の事故死者数が大きく減ってきたことで、道民に油断があるのかもしれない」とし、「原点に戻り、事故の悲劇を継続的に訴えることが必要」と強調する。  八月に事故対策の特別予算三百七十万円を計上した道も「事故防止を訴える集会の開催や、パンフレットの配布などに取り組んできたが、マンネリ化も否定できない」とし、今後、啓発のあり方を再検討する考えだ。  一方、札幌在住の交通安全アナリスト、月居吉彦さんは「関係団体を中心に『全国ワースト返上』を呼び掛けるだけでは、道民一人一人の意識変革は進まない」と指摘。町内会や地域ボランティアなどの活動を通じて、ドライバーや歩行者らにきめ細かい交通安全情報を直接、提供すべきだと提言する。(北海道新聞 引用)

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