2007年12月12日水曜日

道総計素案 「札幌延伸」削除で紛糾 道新幹線の審議委員1人が辞任

国土交通省北海道局は十日、国土審議会北海道開発分科会の計画部会に次期北海道総合開発計画の素案を示した。審議では、北海道新幹線の未着工区間(新函館-札幌間)の記述をめぐり、委員の佐藤馨一(けいいち)・北大大学院工学研究科教授が「(素案文案にあった)札幌延伸の表現が削除され、納得できない」として委員を辞任した。さらに、別の委員からも批判が続出。十一日開催の北海道開発分科会では、札幌延伸をめぐる論議が白熱しそうだ。  文案の起草委員の一人でもある佐藤教授は「起草段階では『札幌延伸に向けた環境整備に努める』などの表現を入れる方向だったが、(省内の)調整で削られた」と指摘。そのうえで、「(新幹線を推進する)自らの立場が説明できず、本日で辞任する」と述べた。  素案での新幹線部分は「着工区間の着実な整備を進めるとともに、それ以外の区間について所要の事業を進める」の表現にとどまる。同省北海道局は札幌延伸の削除について「国全体の次期国土形成計画案での新幹線の表現に合わせた」と釈明。同省鉄道局が未着工区間の建設方針が固まっていないことを理由に、難色を示したとの見方を否定した。  札幌延伸の表現に対しては、ほかの複数の委員も「しっかり明記してほしい」などと要望。このため、同省北海道局は十一日の北海道開発分科会での意見などを踏まえ、最終判断する方向だ。

0 件のコメント: