2007年12月28日金曜日

掛川源一郎さん死去 道内社会派写真家の草分け 94歳 札幌

北海道に根ざした社会的テーマの作品を撮り続けた写真家の掛川源一郎(かけがわ・げんいちろう)さんが二十六日午後零時二十三分、肺炎のため札幌市内の病院で死去した。九十四歳。自宅は札幌市中央区南四西二六の一。通夜は二十七日午後六時、告別式は二十八日午前九時から、いずれも札幌市北区麻生町九、ベルコ麻生シティホール。喪主は妻淑子(よしこ)さん。
 一九一三年(大正二年)、室蘭市生まれ。千葉高等園芸学校(現・千葉大園芸学部)在学中から本格的に写真を撮り始めた。園芸雑誌記者を経て、戦後は伊達高校に教師として勤務するかたわら、北海道の社会派カメラマンの先駆けとして、沖縄から渡島管内長万部町に戦後入植した家族、伊達火発反対運動、有珠山噴火などを長期にわたって撮影。
 またアイヌ民族の歌人・バチラー八重子さんの晩年も記録するなど、北海道を見つめた独自のリアリズムの作風を築いた。
 二〇○四年には札幌・道立文学館で作品展「写真家 掛川源一郎の20世紀」が開かれ、写真集「gen 掛川源一郎が見た戦後北海道」が出版された。九五年に道文化賞、九七年に道開発功労賞、○六年に北海道新聞文化賞など数々の賞を受賞。写真集に「大地に生きる 北海道の沖縄村」「有珠山 噴火の軌跡」など。

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